すべては昨年の夏、ベルリンで始まりました。日本の食文化に精通したWalter Britzが、ボトルの半分だけ入った「夏限定の日本酒」3本持ってパーティにやってきたのです。ソムリエでチーズの権威であるUrsula Heinzelmann(彼女のブランド名はHeinzelcheese)は、そんなワルターを見て、「信じられない!半分しか入ってないボトルをパーティに持ってくるなんて、なんてケチなの?ワインの残り物だったらありえない!」 と、その時は口にだしませんでしたが、心の中では正直むっとしていました。ところが、その後、この、「夏の生酒」のとりこになったのです。「チーズにすごく合う!」
その、わずか数週間後、日本酒は2014年からウースラがベルリン・クロイツベルクのMarkthalle Neun(マルクトハレノイン)で開催している「ワインとチーズの試飲」Heinzelcheeseetalkのメインテーマとなりました。それが私たちの最初のコラボレーションです。
秋には、ワルターがB2Bイベント「酒ベルリン」を初めて開催し、日本酒の生産者がドイツの一般消費者に自社製品を紹介し、ウースラが大勢の受講者の前でこのテーマ「Sake meets Cheese」についての初のマスタークラスを行いました。
ここ数ヶ月のイベントは、他の地域と同様開催中止を余儀なくされていましたが、再び人々は、おいしいワインとおいしい料理のテーブルへと戻りつつあります。「再び進むべきだ!」と思います。毎月お届けする「日本酒とチーズの組み合わせ」この合同プロジェクトを始めましょう。Walterが、一つの蔵元から、二種類の異なる日本酒を紹介し、ウースラはそれぞれのバーチャルボードの上にチーズを乗せて、なぜこれを選んだのかを説明します。
Walterと特別懇意にしていただいている輸入業者「フジタ食品」様からは、このアイデアにすぐご賛同いただき、最初の日本酒のスポンサーになってくれるだけでなく、名門酒会へコンタクトもご提供いただきました。
名門酒会(The Japan Prestige Sake Association)は、大量生産と大規模な蔵元が市場を席巻していた経済的奇跡の時代、1975年に設立されました。ドイツのワインやビール産業に似ていますが、80以上の地方の酒蔵(焼酎、ビール、ワインの生産者も含む)が加盟しており、小規模な酒蔵や地場の酒販店の振興を目的とし、全国的な酒蔵や巨大なスーパーマーケットチェーンの独占支配が強まっているのに対抗することを目的としています。
名門酒会がアドバイスと、その誠実な手造りの日本酒で支援してくれることを光栄に思いますし、私たちの新しいプロジェクトに協賛してくれることに大変感謝しております。
ワルター・ブリッツ
ウースラ・ハインツェルマン